ダイヤモンドの芸術・パヴェセットとは。職人がその最高技術を徹底解説

 
 
金細工職人が手で留めるダイヤモンドの芸術!パヴェとは
 
 
ダイヤモンドが整然と並ぶ『パヴェセット』の指輪を見たことがありますか?
 
それは、高度な技術を持った金細工職人が手作業で金属にダイヤモンドを留めていく、装飾技法のひとつです。
 
高価なイタリアンハイジュエリーなどによく見られるこの『パヴェセット』は、宝飾職人の中でも最高ランクの技術とされ、日本でも限られた職人にしか出来ないと言われています。
 
 
ただ、ジュエリーの需要が極端に減っており、一流の金細工職人は、現在全国でもごく少数です。
 
彼らの平均年齢は65歳以上なので、このままでは、15年後には手彫りの金細工職人はいなくなると言われています。
 
 
ヨーアンドマーレにも日本でトップクラスの金細工職人が在籍し、パヴェセットの指輪をオーダーメイドにて多数製作してまいりました。
 
 
 
  イエローゴールドのリッチなパヴェスタイルのエンゲージリング・オーダー作品
 
 
 
 
 80ピースのダイヤモンドをパヴェセットで留めたゴールドリングオーダーメイド作品
 
 
 
このプログは、宝石の権威、米国宝石学協会・GIAの宝石鑑定士であり、また16年以上にわたり、5000組を超えるカップルに結婚指輪を届けてきた、オーダーメイドのエキスパートであるクラフトデザイナーが、ダイヤモンドをパヴェセットしたリングの魅力、そしてその希少性について語っています。
 
 
 

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GIA・米国宝石学協会 宝石鑑定ディプロマ
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 GIA・米国宝石学協会  宝石鑑定ディプロマ
 
 
ダイヤモンドが敷き詰められた、リッチなデザインの指輪に興味がある、購入を考えている、そういうあなたにとってのブログは、いろいろなアイデアを与えてくれます。
 
そして、金細工がつくりだすパヴェセットの素晴らしさをもっと知っていただけたなら幸いです。
 
 
是非参考にしてみて下さい。
 
 
 
 
 

1.ダイヤモンドを指輪に敷き詰める技法-パヴェセット!

ダイヤモンドを指輪に敷き詰める技法-パヴェセット!
 
 
 
多数の小さなダイヤモンドを、金属のリングに留める技法に 「 PAVE 」パヴェセッティングというものがあります。
 
パヴェとは、イタリア語で『 石畳 』と言う意味で、小さなダイヤモンドを金属の表面に石畳の様にびっしりと敷き詰めた様子かはそう言われています。
 
 
穴も爪もない平らな金属の指輪の上に、小さ
なダイモンドを、一本の彫り金具だけで石
畳の様に一つ一つ留めていきます。
 
腕の良い職人によるパヴェは、隣接するダイヤとダイヤが接した状態で、少しの隙間ら出た小さな爪で複数のダイヤモンドを押さえてる、ほとんど神業に近い技術です。
 
 
 
■ 255ピースのダイヤモンドをパヴェセットで留めたプラチナリング
 
 

215ピースのダイヤモンドをパヴェセットで留めたプラチナリング

 

■ 150ピースのダイヤモンドをパヴェセットでリング一周に留めたゴールドリング

 

では、なぜこのダイヤモンドのパヴェセットが、金細工職人が行う最高難度の技術と言われているのかをお伝えいたします。

 

 

 

2. パヴェ・それは1mmの手彫り芸術!

 

 
金細工の専門職人がパヴェセットを行う際に使う道具の種類は、たった2〜3種類で、中でも  "タガネ "という、金属を削り落とす「 ノミ  」の様な道具を使います。
 
ただ、このタガネを使いこなせる職人はほとんどいません。
 
 
あまりにもこの専門技術の習得には時間がかかる為、特に若年の職人には難しいと言われています。
 
 
 
  タガネと呼ばれる細い金属ノミで金細工は行われる
 
 タガネと呼ばれる細い金属ノミで金細工は行われる
 
 
 
 鋒が命のタガネは職人自身の手でつくられる
 
鋒が命のタガネは職人自身の手でつくられる
 
 
 
パヴェセットによって敷き詰められたダイヤモンドのひとつひとつは、直径 0.9mm〜1.5という非常に小さなもので、ハンドメイドで行う作業としては、高価な精密腕時計と並んで極小な作業と言われています。
 
 
 パヴェセットによって敷き詰められたダイヤモンドのひとつひとつは、直径 0.9mm〜1.5という非常に小さなもので、ハンドメイドで行う作業としては、高価な精密腕時計と並んで極小な作業と言われています。
 
 
 
 
 
 

3.異次元の煌めき・ヨーロピアンパヴェとは

異次元の煌めき・ヨーロピアンパヴェとは
 
 
 
その小さなメレーダイヤモンドを石畳の様に留める、パヴェセットの中でも、伝統的に高級イタリアンジュエリーなどで行われる、ヨーロピアンパヴェというものがあります。
 
これは、更に高い技術が必要とされています。
 
それは、ダイヤモンドの集合体から全く異次元の煌めきを引き出す留めにて、そこに使われているのが、上記の "タガネ "の最高難度の技術と言えます。
 
 
 
 例えば
 ̄ ̄ ̄ ̄
小さなダイヤモンドをリングに一連に並べてセットした場合、ほとんどの場合、この様にダイヤモンドの半分より下は、金属の中に埋まってしまいます。
 
 
1. ダイヤを普通にパヴェセットした時
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これをヨーロピアンパヴェでダイヤモンドを並べてセットした場合は、下の様にダイヤモンドの下部に当たる周囲の金属を削りとり、埋まらないようにします。

 
 
2. ダイヤをヨーロピアンパヴェにセットした時
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このダイヤモンドのセットの違いは、ダイヤモンドの光の輝きに大きな影響を与えます。
 
簡単に違いを言えば、光を取り入れる面が多いヨーロピアンパヴェの方が反射光量も多く輝くのです。
 
 
ただ、通常のパヴェセットは、ダイヤモンドが1列ではなく、3列、5列と数が多く、直径1.5mm以下のメレーダイヤモンド1つずつに上記の加工を施していくには、高度な専門技術が必要だと想像出来ます。
 
 
 

パヴェセッティングに使う タガネ

金細工職人がパヴェセッティングに使う タガネ

1.3mm以下の極小ダイヤモンドを敷き詰めたマイクロパヴェのリング

 

パヴェセッティングの中でも、最高レベルの
クラッシックな洋彫り技法・ヨーロピアンパヴェは、専門学校でも教えることの出来るインストラクターがいない為、限られた熟練職人にしか依頼する事が出来ないのです。

 

 

 

 

 

 
ダイヤモンドのパヴェセットは、今現在でも限られた熟練の職人にしか出来ない技術です。
 
また、日本の市場では非常に高額になるパヴェセットのダイヤモンドジュエリーの需要は減り続け、若い職人が育たない状況にあり、もし現在数少ないパヴェの金細工職人が亡くなれば、後には伝説の技法になってしまいます。

 

  
 
いかがでしょうか。
 
 
もし、これから結婚指輪やファッションリングの購入を考えているのであれば、パヴェセットされたダイヤモンドリングも視野に入れて見て下さい。
 
 
また、パヴェセットや手彫り模様などについてお聞きになりたい事があれば、商品の購入の如何に関わらず、なんなりと
メールや電話にてご質問下さい。
 
お待ちしております。
 
 
 
 
筆者 
ヨーアンドマーレ・クラフトデザイナー
GIA・GG  米国宝石学協会 鑑定士 島田 洋輔
 
 
 
 
 
 
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