宝石やジュエリーにある程度興味を持ってい
る人であれば、一度は聞いたことがある、そ
んな5つの作品を集めてみました。
その中には実際に存在しない空想の宝石もあ
りますが、世界中で知られているものばかり
です。
結婚指輪や婚約指輪のオーダーメイドを考え
ている男性は、話しの引き出しに入れておい
てはいかがでしょうか。
1.ダイアナ妃の婚約指輪
ダイアナ妃に贈られたサファイアの婚約指輪
は、オーダーメイドの特注品でも、見たこと
も無い個性的なものでもなく、チャールズ皇
太子に連れて行かれた、ガラードというロン
ドンの宝飾店に並ぶコレクションから彼女自
身が選んだものです。
当時から、700万円というロイヤルジュエリー
としては普通の価格と、そのオーソドックス
なサファイアのデザインによって、各方面で
物議を醸しました。
一説によると、そのサファイアの婚約指輪
が、イギリス王室内で不評だった為に、ダイ
アナ妃への風あたりが強かった時、チャール
ズ皇太子はダイアナを全く擁護しなかったと
いうのです。
この頃から既に二人の関係は冷めていたと言
われており、このサファイアリングが、後の
二人の運命を作ったといっても過言ではあり
ません。
その後二人は離婚し、ダイアナはパパラッチ
に追いかけられて不慮の事故で死亡、チャー
ルズは不倫の末にカミラ夫人と再婚するので
す。
そしてこのサファイアリングはダイアナの
子、ウィリアム王子の妻であるミドルトン妃
に贈られたのはご存知の通りです。
ケイトミドルトン妃とダイアナのサファイアの婚約指輪
やはり歴史上最も有名なサファイアの婚約指
輪と言えます。
2.魅惑の青い光.ホープダイヤモンド
謎と伝説に囲まれたホープダイヤモンドは、
世界で最も有名なダイヤモンドでもありま
す。
重量が45.52カラットのVS1クラリティを持つ
ホープダイヤモンドは、世界最大のブルーダ
イヤモンドです。
なぜこのダイヤモンドが有名なのかという
と、ネーミングとは裏腹に、このダイヤモン
ドは持ち主を破滅させるという言い伝えがあ
るからなのです。
9世紀の話ですが、インド・デカン高原のコー
ラルという町で農夫が発見したこのダイヤモ
ンドは、ヒンドゥー教寺院に奉納されますが
盗まれてしまいます。
それを購入したダヴェルニエというフランス
人から当時のフランス国王ルイ14世が購入し
たことまでは明らかになっています。
ダヴェルニエがはじめに購入した際には約112
カラットあったのですが、ルイ14世が購入し
た時に、さらに美しいカットが施され、約
67カラットになっています。
最終的にハリーウィンストンが購入
最初のダヴェルニエは、ロシアで事故に会い
死亡。
その後、ルイ14世は天然痘にて死亡。
フランス革命によってルイ16世とマリーアン
トワネットら国王一家は、最終的に処刑され
ることになります。
ルイ16世とマリーアントワネット
1800年代になり、イギリスのダイヤ商のエリ
アソンから、銀行家のヘンリーホープに渡り
ますが、二人共に不慮の事故及び破産とな
り、死亡しています。
最終的にアメリカのハリーウィンストンが購
入し、スミソニアン博物館に寄贈されるま
でにも数々の持ち主に不幸を与えたホープダ
イヤモンドは、1000年以上の旅の後、誰の所
有にもならない宝石になったのです。
3.シンプソンのパンテールブレスレット
2010年にサーザビーズのオークションで12億
4000万円という、宝飾ブレスレットでは過去
最高額で落札された作品がありました。
過去の所有者にちなんでウォリス・シンプソ
ンのパンテールブレスレットと呼ばれるこの
豹デザインのブレスは、全身にダイヤモンド
とオニキスが敷き詰められており、その目に
は、エメラルドがセットされています。
パンサーをリアルに表現したデザインのこの
ブレスレットは、「王室の宝石商」といわれ
る高級ブランド「カルティエ」によって製作
され、石の大きさや希少性ではなく、その作
品の芸術性と天才的な職人技で、後世に残る
ジュエリーと言われいます。
ちなみ落札したのは、あのマドンナと噂され
ています。
王位を捨てた恋
このパンテールブレスレットが有名な理由
は、その落札額やデザインもさる事ながら、
ウォリス・シンプソンと彼女に贈ったエドワ
ード8世の「王冠を捨てた恋」と語り継がれる
二人の恋物語にあります。
ウォリス・シンプソン夫人は、1896年生まれ
のアメリカ人女性で、類まれな美貌を持ち、
ファッションやダンスにも長けていた彼女
は、ロンドンで会社を経営していたシンプソ
ンの妻でした。
そして、渡英したシンプソン夫人は、あるパ
ーティーで当時の王太子エドワード8世に出会
い、恋に落ちたのです。
二人はそれぞれ妻と夫のある身で、しかも、
エドワードは王位継承者でしたから、この二
人の恋は不可能なものでした。
やがて、当時の国王ジョージ5世が亡くなり、
エドワード8世は王位を継承します。
ところが、エドワード8世はシンプソン夫人と
の愛を貫くために、王位を捨てることを決
意。
在任期間一年足らずで退位したエドワード8世
は「ウィンザー公」の称号を与えられ、離婚
したシンプソン夫人と正式に結婚することが
できたのです。
当時エドワード8世は、愛の言葉を中に刻んだ
多くのジュエリーを妻に贈りましたが、その
一つがこのパンテールブレスレットです。
カルティエへの特注オーダーメイド
1948年、ウィンザー公は夫人に贈るジュエ
リーを特注オーダーしました。
それが、その後のカルティエの代表作とな
る、「パンテールブローチ」だったのです。
ウィンザー公爵夫人を通して社交界で大きな
話題となり、カルティエのパンテールを世に
知らしめたのです。
4.ティファニーイエローのダイヤモンド
現在、マンハッタンのフィフスアベニューに
ある旗艦店で展示されている、128カラットの
ファンシーインテンスイエローのクッション
カットダイヤモンドは、今日世界で最も有名
なイエローダイヤモンドです。
1877年に南アフリカのキンバリー鉱山で発見
されたと信じられていて、その重量は287.42
カラットで、このつかみどころのないダイヤ
モンドは150年以上の歴史の中で2回だけ着用
されたことが知られています 。
1957年のティファニーボールでのホワイトハ
ウスと、1961年のティファニーでの朝食の宣
伝写真のためのオードリーヘップバーンにほ
かなりません。
1960年代には、ダイヤモンドの上に小鳥がと
まったデザインにて展示されていました。
現在は、ダイヤモンドネックレスの製品にて
展示されています。
5.ハートオブザオーシャンのダイヤモンド
1912年4月14日の深夜に起こった、イギリス
の豪華客船 タイタニック号 沈没事故を脚本に
した映画「タイタニック」が公開されまし
た。
主演のレオナルド・ディカプリオ＆ケイト・
ウィンスレットのこの映画は世界中で大ヒッ
トし、日本でも外国映画の歴代興行収入１位
は未だに破られていません。
この映画の中で、ケイト・ウィンスレットが
親の決めた婚約者から贈られた、ハート型を
した巨大なブルーダイヤモンドのペンダント
が出てきます。
この ハートオブ ザ オーシャンと呼ばれる大
きなハートシェイプのブルーダイヤモンド
は、その後世界中の市場で、“タイタニックに
出てきたペンダント”として、このイミテーシ
ョンが多く販売されました。
もちろん映画と同じ大きさの本物のブルーダ
イヤモンドで作ることは難しいので、カラッ
トを落としたサファイヤや、他のブルーの石
で作られたものが流通しています。
今でも“タイタニックペンダント”としてイン
ターネット通販などでよく見かけるので、根
強い人気があるのでしょう
1997年の映画の大ヒットにより、その年のオ
スカー受賞に向けて実際のバージョンが、イ
ギリスの宝石トップブランド.ガラードによっ
て製作され、170カラットのサファイアと65
個のラウンドカットダイヤモンドのネックレ
スをデザインしました。
実際に、グロリアスチュアート（年配のロー
ズを演じた女優）は、そのネックレスを着け
てアカデミー賞にのぞみ、セリーヌ・ディオ
ンは、オスカーのために2日間この作品を着
けて、大ヒットの映画主題歌、「マイ・ハー
ト・ウィル・ゴー・オン」を歌ったのです。
いかがでしたでしょうか。
宝石にはとても強いパワーがあり、着けた人
の心が宿ると言われています。
その力をプラスに変えた時は奇跡をおこし、
マイナスの力になってしまうと破滅を迎えた
人もいます。
是非、幸福のパワーを宿したジュエリーを
手にしてみてください。
