プラチナの5つの長所と短所を職人が徹底解説!【結婚指輪オーダー】

プラチナで結婚指輪をオーダーメイドする時に役に立つ2つの知識
世界のブライダルリング市場において、日本
ほどプラチナ製結婚指輪の需要が大きい国はないと言っても過言ではありません。
 
 
 
近年、宝飾品でのプラチナの使用量が一番多いのは中国ですが、プラチナのブライダルリングを世界的に広めたのは、日本だというのは紛れもない事実です。
 
 
これは日本人が常に高品質を求める気質と、
白い色を好む国民性によるところから来てい
す。
 
 
結婚指輪であれば、白くて希少価値の高いプ
ラチナでと考えますよね。
 
 
 
このプログは、宝石の権威、米国宝石学協会・GIAの宝石鑑定士であり、また17年以上にわたり、5000組を超えるカップルに結婚指輪を届けてきた、オーダーメイドのエキスパートであるクラフトデザイナーが執筆しています。
 
 
 
 

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GIA・米国宝石学協会 宝石鑑定ディプロマ
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 GIA・米国宝石学協会  宝石鑑定ディプロマ
 
 
 
ここでは、プラチナ製の結婚指輪を選ぶ時のポイントや注意点を、いくつかの違う視点から解説しています。
 
 
このブログを読めば、プラチナの結婚指輪を購入したいと考えていて、今更聞けない多くの疑問を解決することが出来ることでしょう。
 
 
是非読み進んでみて下さい。
 
 
 
 
  

1.プラチナの結婚指輪とは

 
 
天然のホワイトメタルであるプラチナは、他
の金属と違い、高い純度でジュエリーに使用
されます。
 
 
日本では、その純度が85%以上の製品に限り、プラチナ製品と言うことが許されており、
 
純度 90%のプラチナ製結婚指輪の内側には、『  Pt 900 』
 
純度 95%のものには、
『  Pt 950 』
 
いう刻印が入ります。
 
 
日本で購入出来るプラチナ製結婚指輪の約70%が、Pt 900 の製品であり、既製品として製造、販売されているものの多くが、この純度90%の製品です。
 
 
一方欧州・EC諸国では、純度が95%以上の商品に限り、プラチナ製品と言うことが許されており、ほぼ100%の結婚指輪が、Pt 950 の製品です。
 
 
 

1-1. プラチナ・1000は今が購入時

 
 
 
 
また、99.9%以上の純度のものをプラチナ1000と呼び、純プラチナの製品として考えられています。
 
そして、その結婚指輪の内側には、
 
『  Pt 1000 』または、『  Pt 999 』
 
という刻印が入ります。
 
 
プラチナ1000と呼ばれる製品は、耐久性を得るために、微量のルテニウムが含まれている以外、99.9%以上のプラチナ含有率にて、プラチナ製品の中でもプレミアムな製品として認識されています。
 
 
 
その特殊な製法によって、プラチナの含有率の高さ以上に高額な製品となる、純プラチナ製結婚指輪の価格が下がっています。
 
 
一般的には輸入品は、円安になった場合には価格は高くなります。
 
2022年に入ってからは、ほぼ全ての商品が高くなっており、これは円安になった為替相場の影響が大きいと言えます。
 
 
またプラチナの輸出では、世界第二位のロシアからの輸入も激減しており、本来であれば、プラチナ相場は上がっているべきなのです。
 
 
 世界のプラチナ生産国
 
 
 
 
ただ、2020年頃からのコロナ禍の影響と、工業製品のプラチナの需要の低下から、プラチナ相場は下がっており、円安相場にもかかわらず回復していません。
 
つまり純度の高いプラチナ・Pt 1000がお買い得です。
 
以前に比べると、その価格は35%近く安くなっており、通常であればプレミアな商品が抑えた値段で購入できるチャンスかもしれません。
 
プラチナ1000の商品を扱っている店舗に問い合わせてみてはどうでしょうか。
 
 
 
 

1-2. プラチナ製指輪の長所

 
プラチナ製の指輪が、最も高価な貴金属である理由は3つあります。
 
 
• 希少価値が非常に高い
 
• 耐久性に優れたている
 
• 高級感がある
 
 
 
 

プラチナは最も希少価値が高い金属

 
プラチナは、その産出量が極めて少なく、また世界でも限られた場所でしか採掘できない、希少価値が非常に高い金属です。
 
 
有史以来、世界で採掘されたプラチナの総重量は約7000トンで、その量はゴールドの採掘量の3%以下です。
 
またプラチナは、その精製の難しさもまた、他の金属の追随を許しません。
 
 
例えば、3gのプラチナを取り出すには、約1トンの原鉱石が必要であり、その精製には50日以上必要と言われています。
 
7日を要するゴールドの精製時間と比べても、いかにプラチナの精製に時間を要するかが分かります。
 
 
 
 

プラチナは耐久性に優れている

 
プラチナは、適切にメンテナンスされ、手入れされている限り経年変化のない、安定した金属です。
 
 
プラチナは他の金属に比べ硬度が高く、表面
にキズがつきにくい金属です。
 
 
 
以下金属のモース硬度です
______________________________
金属のモース硬度です。
______________________________
 
 
 
ゴールドやシルバー、銅に比べて格段に硬度が高い、つまり硬い事を示しています。
 
硬度が高い金属は、キズが付きにくく、割れたりすることが少ない金属です。
 
(  金属が硬さと曲がりにくさとを勘違いされがちですが、硬度とはあくまでも金属表面のキズのつきにくさをしめすものです )
 
 
 
また、プラチナは錆びることは決してなく、よほど強い酸性やアルカリ性液体に触れなければ、表面の腐食は起こらない金属です。
 
 
 

プラチナは高級感がある

 
プラチナの最大の特徴は、その比重の高さにあります。
 
比重とは、単位体積あたりの重さを比較したもので、その値が大きければ、手に持った時に『 ズシリと重さを感じる 』のです。
 
 
 
 
【 各金属の比重 】
 ______________________________
 
 
 金の比重値
 
     金  比重値
   
 K22   19.13~19.51
 K20      16.03~17.11
 K18      14.84~16.12
 K14   12.91~14.44
 K10   11.42~13.09
 
 
プラチナの比重値
 
 プラチナ  比重値
 Pt1000  21.24~21.66
 Pt950  19.84~20.85
 Pt900  18.61~20.08
 Pt850  17.53~19.38
 Pt800  16.56~18.72
 Pt750  15.70~18.10
 
 
 
その他の貴金属の比重値
 
   比重値
  銀  10.53
  銅       8.93
 ロジウム     12.44
 ニッケル       8.90
 
 
______________________________
 
 
 
上記で分かるように、結婚指輪で使用されるプラチナ900や950は、他の貴金属と比べてもその比重が高く、重たいことかま分かります。
 
例えば、銀(シルバー)とプラチナ950の比重を比べた場合、プラチナの比重はシルバーの2倍です。
 
これは、もし同じデザインで、サイズも幅も全て同じリングを、シルバーとプラチナ950で製作した場合、プラチナのリングはシルバーの倍の重さになる事を意味しています。
 
 
 
 
【 シルバーリング 】 7g
 
【 シルバーリング 】 7g
 
 
 
【 プラチナ950リング 】 約14g
 
【 プラチナ950リング 】 約14g
 
 
 
 
人の基本的な感覚として、重量の重い金属に高級感を感じるので、プラチナの高級感はここから来ているのです。
 
 
 

プラチナはアレルギーが出にくい

 
プラチナは他の金属に比べて、アレルギー反応を引き起こす不純金属の割合が低く、アレルギーがほとんど出ない金属です。
 
 
特に、Pt 1000 ・ プラチナ1000 およびプラチナ950は、数少ないアレルギーの出ない安全な金属と言えす。
 
金属アレルギーは、塩分を含んだ汗と金属が
接触することによって、その金属が溶け込ん

起こります。

 

正確には、金属からイオンが発生することに
よるのですが、元来純プラチナは、そのイオ
ン発生率がほぼゼロの金属なので、金属アレ
ルギーをひ起こしにくいとされています。
 
 
 
 
 
【オーダー職人が徹底解説】金属アレルギーにならない結婚指輪!5選
 
 
 

 

1-3. プラチナ製指輪の短所

 

プラチナ製指輪にも、数少ない短所があります。

 

 

細いプラチナの指輪は曲がりやすい

 

プラチナは硬度が高い反面、粘性も高い金属
す。
 
粘性が高い金属は、より曲がり易い特徴があ
ります。
 
ただ曲がると言うことは同時に割れにくい
言う事でもある為、これは表裏一体の性質と
いえます。
 
 
ちなみにプラチナより粘性の低い18金で出来
リングは、力が加わると曲がりにくい反
面、割れてしまう傾向にあります。
 
 
 
 

プラチナ製指輪は高額になる

 

プラチナは、他の金属に比べて、単位グラム単価が高く、またその比重も大きい為、高額な結婚指輪になる事が多いといえます。
 
 
その結婚指輪が、シンプルなデザインであったとしても、9万円前後から、複雑なビンテージデザインであれば、15万円以上になるものもあります。
 
 
その価格は、使用するプラチナの量によって異なりますが、同じデザインの指輪であれば、やはりプラチナ製の商品が最も高額になると考えられます。
 
 
 
 

 

2.結婚指輪のプラチナとゴールドを比較

 

 
K18とK14のジュエリーは、主に金とニッケ
ル、亜鉛、銅、などの耐久性のある金属の混
合物で作られています。
 
純金自体は柔らかい金属のため、純金で結婚
指輪を作った場合、非常に曲がり易く耐久性
に問題があるので、他の金属を混合させて耐
久性を増しています。
 
 
○ K18、18金は75%ゴールド、
 
○ K14、14金は58.3%ゴールドです。
 
 
一方、結婚指輪のプラチナには、一般的に
ラジウムと銀とプラチナが使われており、度90%のPT900は、90%のプラチナと10%の
ジウム&銀、PT950は5%がパラジウム&銀の割合で含まれています。
 
 
ただし、Pt1000は99.5%のプラチナと0.5%のルテニュウムという金属で出来ています。
 
純度がほぼ100%のプラチナでは、指輪としては柔らか過ぎてすぐに曲がってしまいます。
 
少量でも硬くなる金属、ルテニュウムを混ぜ
て強度をあげています。
 
 
 
また、プラチナは金よりも重くて密度の高い
貴金属です。
 
重さを感じると言うことは、すなわち高級感
を感じると言うことです。
 
 
日本でゴールドよりプラチナのブライダルリ
ングが人気がでたのは、希少価値、純度共に
ゴールドより高く、純白のブライダルを想起
させるその色から来ていると思われます。
 
 
ちなみヨーロッパ諸国、アメリカ、アジア諸
国では、今でもブライダルリングではゴール
ドが一般的であり、白い色の金属ではホワイ
トゴールドが良く使われています。
 
 
 
 
 
 いかがでしたでしょうか。
 
 
プラチナには日本人の琴線に触れる要素がい
っぱいの金属です。
 
純粋性、白さ、希少性、そして高級感とどれ
をとっても完璧です。
 
ダイヤモンド、真珠、他の宝石にもマッチ
し、そして結婚指輪にも純度の高い申し分の
ない高級金属です。
 
 
ふたりだけの結婚指輪をプラチナでのオーダ
メイドを考えてみてはいかがでしょうか。
 
 
 
 
筆者 
ヨーアンドマーレ代表
GIA・GG  米国宝石学協会 鑑定士 島田 洋輔
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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